アルタムエンゼルの飼育と簡単水草水槽維持のブログ

初夏のアルタムエンゼル導入から繁殖までの飼育の道のりと、安上がりな水草水槽の維持方法の二点をゆるく、ときには深く考えていくブログです。

9/1 今日のアルタムエンゼル

気温25℃
水温30℃
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夏が終わり、30℃にセットしたヒーターが初めて稼働していました。そして今日めっちゃ涼しいなーと思ったら気温がめっちゃ秋でした。
しかし、今年の夏は冷夏でしたね。。。デッドラインを超えた日が1日しかありませんでした。もちろん9月も油断ならない月ですがね!
農作物が育つのか非常に心配です。

農作物も心配ですが、アルタムの幼魚の導入も心配です。夏のアルタム導入が成功しやすいのは水温のおかげだと思っている私ですので、冷夏で30℃を下回った水温で初便を導入して大丈夫たったのかと。。。

と、言うことで、私流アルタム導入法をご紹介!

導入法とか言っておきながらまだまだ経験不足ですが、私なりの考察を。

1年目、2年目と4年目(今年)の導入は死者が出ているにも関わらず、3年目だけ死んだアルタムエンゼルはいませんでした。
なんと、10匹/10匹で導入成功。
何に違いがあるのか。。。その可能性について記していきます。

可能性①仕入れ先のトリートメント!
1年目はアクアキングさんから取り寄せたものでしたが、残念ながら到着時には既にヒレ溶け、白濁状態でした。トリートメントの状態は正直。。。ただ、導入初期(1ヶ月)は50%で生き残りましたので、そこまで確率は悪くありませんでした。その後、離婚して熱帯魚の世話ができなくなり、エロモナスっぽい病気とポップアイで4年目の現在1匹/10匹です。つまり、離婚さえしなかったら5匹は生き残っていた可能性が高いです。

2年目は通販をやめて、大阪のウォーターパラダイスさんとアクアテイラーズさんで購入して導入。5匹ずつ、自分の目で確かめて導入しましたが、導入1ヶ月は5匹/10匹で50%の生き残り。その後、飛び出しで亡くし3年目の現在3匹/10匹です。飛び出しが悔やまれますが、原因不明のパニックはアルタムにはよくあります。少しの物音でもパニック。。。当時は家に帰ったら干からびたアルタムが2匹、床に。悲しかった。。。これも飛び出しがなければ現在50%の生存率だったと考えられます。

そして3年目は熊本県八代市が仕事で担当になり、八代海洋さんに出入りすることになりました。ワイルドディスカスアルタムエンゼルの素晴らしい個体が店内にところ狭しと飼育されています!!本当にすごい!そして、7月にオークションを何となく見ていると八代海洋さんがアルタムエンゼルを出品しているではありませんか!クリックまでに時間はかかりませんでした。見つけて1秒で決断、1秒でクリック。何が原因か分かりませんが2年目の現在、10匹/10匹生き残っています。

そして4年目の今年、オークションで何と1匹2000円の格安アルタムエンゼルを発見!!!導入予定はありませんでしたが反射的にクリックしてしまっていました。。。3匹。。。しかし、おそらくトリートメントしていない個体ならではの価格だったのでしょう。1ヶ月半過ぎた現在、1匹/3匹しか生き残っていません。ただ、その1匹は非常に元気!賭けに勝った気分です。

これらを考えると八代海洋さんのトリートメントが良かったと考えるのが妥当ですが、実は私、見解が違います。

可能性②飼育環境!
1年目→ベアタンクに外部フィルター。ヤシャブシの実有り。
1ヶ月生存率50%
1年生存率50%
2年生存率20%
3年生存率10%

2年目→ベアタンクに外部フィルターにスポンジフィルター。ヤシャブシの実有り。
1ヶ月生存率50%
1年生存率50%
2年生存率30%

3年目→ソイルに上部フィルターにスポンジフィルター。ヤシャブシの実有り。
1ヶ月生存率100%
1年生存率100%

4年目→ベアタンクに外部フィルターにスポンジフィルター。ヤシャブシの実有り。
1ヶ月生存率33%

これを見ると何か、ソイルっぽくないですか??
水換えの頻度やその他の条件はそれほど変わらないです。
低pHのベアタンク飼育が良いとされているアルタムエンゼルの導入ですが、私はソイルが鍵を握っている気がします。つまり、軟水化です。
実はトリートメントはそれなりで良く、pHも気にしなくて大丈夫で、気をつけるべきは軟水であるかどうかなような気がします。
一般的な生存率より高確率で生き残っている私のアルタムエンゼルですが、それは初年度からヤシャブシの実を導入しているから……と、仮定するなら一本通ります。ヤシャブシの実も強力な軟水化効果があるからです。

3年目アルタムに使用したソイルもプロジェクトソイルプレミアムの5.2を使用。
アクアシステム プロジェクトソイル プレミアム 5.2 8KG
強力な軟水化効果の結果、pHが下がるソイルでした。

つまり、これは従来言われていた低pHの静菌作用なんかではなく、ワイルド環境の軟水を徐々に日本の水に馴れさせていく作業が幼魚導入に最も必要だということを示唆している。。。

そう、思ってきた4年目です。決め手は4年目の今年、ベアタンク+外部フィルター+スポンジフィルター+ヤシャブシの実という水槽で導入した際、ヒレ溶けや細菌にやられた形跡もなく、3匹導入のうち2匹が落ちたことです。
トリートメント不足の個体っぽいアルタムでしたので日本の水での飼育歴が浅く、馴れていなかったことが考えられます。そしてヤシャブシの実のみではそこまでの軟水化効果が起こらなかった。。。

また、天然のアルタムエンゼルに寄生しているいわば常在菌がミネラル分が豊富な水で爆発的に増えちゃう習性があるとも考えられます。
なので水槽に持ち込むと既存のアルタムにもどんどん感染して……という現象が起こるのかもしれません。

何にせよ、菌に弱いって訳ではなく、低pHが良いって訳でもなく、

「軟水」

が鍵ってことになりません?
まぁまだ勉強途中なんで何とも言えませんがね。

さらに、もうひとつの要素に高水温があげられます。これは夏のアルタムエンゼルの幼魚が何故安いのかに由来します。
理由は簡単です。この時期のアルタムエンゼルは個体が小さいため、1つの大きな袋に大量に入れられて空輸されてくるからです。そのため、過密状態によるストレスと水質悪化が起こり、細菌症に罹った状態で日本に到着します。細菌症に罹った魚は代謝を高めるため、高水温で治療します。
よって初便有利と言われているアルタムエンゼルですが、初便が有利なのではなく、初便が入荷したときの、

「真夏の水温」

が有利なのだと思います。

最後は亜硝酸です。
成魚でも確実に亜硝酸に弱いです。2週間水換えを怠るとたちまち餌食いが悪化し、体調を崩していきます。3週間水を換えないと病気になります。これは、病気に弱いのではなく、亜硝酸アンモニアに弱いと考えられます。
よって、

「硝化バクテリアと水換え」

が非常に重要ということになります。
ベアタンクでの週一の糞掃除では間に合わないほど幼魚の餌食いは半端ではなく、体重に対しての餌の量は凄まじいものがあります。よって、毎日の糞掃除と少量の水換えを行うか、底床にソイルや砂を敷いてバクテリアの量を増やした上での週一換水を行うのが効果的なのかもしれません。実際、ソイル+換水の環境では10匹/10匹で生き残っています。

まとめると初期導入のポイントは4点かと思われます。

①軟水
②高水温(30℃程度)
③硝化バクテリア
④週一以上の水換え

これではないでしょうか。
一般的に細菌に弱いとか、低pHじゃないと駄目だとか、初便が良いとか、トリートメントが特殊とか……そういったことって、もしかしたら嘘かもしれません。

これからも研究を続けます。緩くテキトーにですがね(笑)

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今年のアルタムです。
目に見えて大きくなる!素晴らしい成長力です。